先延ばしグセを治す方法 |
先延ばし癖を直す戦術 |
どんな仕事においても、ズルズルと先延ばしするのは最も大きな時間の損失である。そんなことは誰でも頭の中では分かっているのだが、現実には程度に差はあれ、みなついつい今できることを先延ばしにする傾向がある。 先送りにしてきた問題は、最終的に成し遂げられないか、ようやく何とか重い腰を上げて作業に取りかかるときにはタイムリミットが間近になっていて精神的な苦痛が大きくなっており、実力を充分に発揮できない場合が多い。 先延ばし傾向のある人の思考 以下に先延ばし傾向のある人の考えを記しておく。 @あまり楽しくない仕事をタイムリミットまで手を付けずに放っておく傾向がある。 A厄介な仕事を取り組むのを先送りにした場合「放っておけば自然と解決するだろう」「誰かが代わりに解決してくれればよい」と虫がいいことを望んでしまう。 B仕事を終えたとき、もっと時間があればよりよい仕事ができたと常々思う。 C予定通りに仕事がこなせなかったとき、自分の責任を棚に上げて他人のせいにする。 Dはじめから時間内に終わり得ない非現実的な予定を立てたがる。 E普段からオーバーワーク気味、忙しさについて不平不満を周りに訴えている。 F自分の仕事を時間内に終えられなかったときの理由を説明する言い訳や口実を使い果たしてしまっている。 先延ばしをしてしまう最も大きな理由の1つとして考えられるのは、「失敗することの恐れ」ではないだろうか。ミスを犯すのを恐れて行動をぐずぐず先延ばしにする。その根底には「完璧主義」がある。少しのいい加減さや、失敗も許さない性格、その異常なまでの潔癖さは仕事のペースを大きく狂わせる。仕事だけではなく人生も当てはまるだろう。 完璧さを求める気持ちが行動を萎縮してしまい、決断力を鈍らせ、やればできることになかなか手をつけさせなかった結果、タイムリミット寸前で急場しのぎで行動を起こすことになり、不満足な仕事しかできないで終わってしまう。 もっと悪いと、ひどい罪悪感に苛まれるようになる。もっと早めから余裕を持って取りかかっていれば、きっと満足のいく質のいい仕事ができたはずだ、と悔やむからだ。 仕事の先送りは人間の天性であり、ある程度はやむを得ないことだろう。それを習慣づけしないことが大切だ。一環として繰り返しているようでは惨めな結果が待っている。ますます多くの時間を費やすことになるだろうし、重苦しい重圧の元での仕事になり、自己嫌悪に陥ることもあるだろう。 先延ばしを打ち破るテクニック 以下に先延ばしを打ち破るテクニックを記しておく。是非とも癖を退治して欲しい。 @徹底的に手と頭を休める 目の前にあるつまらなそうな作業に取りかかるのを先延ばししようという誘惑に駆られたり、重要な仕事と取り組むことが気乗りしなかったりするときは、しばらくの間、一時停止をしよう。何もかもするのを止めて、ただじっとしてみる。 頭の中を空にすることが大事だ。何も考えず目の前に広がる空間をぼんやりと見つめる。何か考え事をしたり、とりとめのないイタズラ書きをしてもいけない。退屈のあまりどこかに行ってもダメ。指を動かさずにじっとする。 気が付くと何もしないことに耐えられなくなり、猛烈に仕事がやりたくなる。大丈夫、その仕事がどんなに楽しくなくても、どんなに困難なモノでも、不思議と必ず仕事がしたくなる。 A雑用に惑わされない 先延ばし常習者の一般的な傾向として「重要な仕事に手を付けられなかったのは雑用が多かったため」という考えを持つことにある。さらにもっと重傷の先延ばし常習者になると、自分の気乗りしない「雑用」までもタイムリミット限度まで先延ばしにする。悪循環きわまりない。 こまごました作業については、一度にまとめて集中的に終わらせてしまうようにスケジュールを組もう。さらには仕事・雑用以外の誘惑に惑わされて肝心なことはサッパリ・・などということは決してないように心がけてもらいたい。 B自分自身にご褒美を与える 気乗りがしないような作業でも、その遂行を迫られたり、自分自身に対して成し遂げられたあとに相応の「ご褒美・ボーナス」を用意する。日常的な事務処理作業が終了したらコーヒーとしばしの休息を与えるとか、自分の好きな雑誌に目を通す時間を設けるといった程度の楽しみを自分自身に与えてみよう。重要な大プロジェクトを成し遂げたときには「特別ボーナス」を出してあげよう。買いたいと思っていたものを買うとか、お気に入りのレストランで贅沢なコースを楽しむとか。共同で作業した場合には同僚と一緒に小さなパーティでも開くと良い。こうした報酬が仕事への大きな動機付けとなりフルに力を発揮できるようになる。楽しく仕事を進めることにもなる。 C厳しい試練を課す 報酬・ご褒美作戦があまり効果が無かったら、自分に厳しい試練を意図的に課してみる。仕事を先送りにしたくなかったら、イスに深く腰を沈め、背もたれに体重を預けながら自問してみる。 「もし、この仕事を自分がやらなかったら・・・・」 罪の意識や最後の審判的考え方が自分自身の目を覚ましてくれる。仕事に対して逃げ腰だった心をまともな姿勢に直してくれる。自分を極限まで追いつめることが本当の「火事場の馬鹿力」を産む無原動力となる。 |
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先延ばし、棚上げは時間の借金をするようなもの |